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絵を描く合間に、

50ccの愛車ホンダR&Pにまたがり

日本中を一人旅。

​旅は男のロマンである。

原付の旅

四国の田舎道。木陰にバイクを止めてひと休み

いつの世も人は 海へ山へと旅に出かけるけど

​私の好きな 谷間の村にゃ 

私を待つ人がいる♬

名城大学美術部

スケッチブックをバッグに入れて

気の向いたときに、バイクを止めて

風景を目に焼き付けるために描く。

土を指で画用紙につけたり、

草をちぎってこすっても、

それなりの雰囲気が出る。

中山道沿いのつり橋

ホンダR&P 50cc 4気筒エンジン

最高速度は45キロ。

山など上りが続くと止まってしまう。

そんなポンコツ寸前の

原付バイクの気安さで、ゆっくり走る。

大学時代の夏休みを3回使って

北海道から鹿児島までを走り回った。

錦帯橋

山口県岩国市の錦帯橋

山口県岩国市の錦帯橋

松島や ああ松島や 松島や

​旅の大先輩、松尾芭蕉にしてこの言葉だ。

描けるわけがない

北海道。オホーツク海側の浜に、

何とも言えない廃屋が。

波と風の音だけが聞こえてくる。

​広い世界に、自分一人が取り残された感覚だ。

この世の果てと呼ばれるところがある。

野付半島のトドマツが立ったまま枯れているトドワラ。海水の浸食により、かつて森だった所が荒涼とした枯死した木々の墓場になってしまった。夏だったがどんよりと曇った肌寒い日、見たこともない不思議な光景に立ち尽くした。

一人旅のいいところは、

必ず誰かと出合うこと。

 

笑顔と、言葉を交わし合い

やがて心が通い

友達ができる。

たくさんの笑顔と

たくさんのありがとうを

ありがとう。

岡山県倉敷市にて

広島大学美術部のAkamatsuさんが

スケッチをしていた。

僕の隣のShowちゃんは

とてもひょうきんな人だったが

今は、若者から大人気の

教会の牧師先生である。

東京で若いお巡りさんから「職質」。

「楽しそーだなー、おまえ」

 

どうも、荷物を積んでいかにも貧乏旅行中

のバイクに、興味津々のご様子。

「お巡りさんも、いいバイク乗ってますねぇ」

「こいつは最高だ。乗って見るか」

と、写真を撮ってくれた。

北海道羽幌町の子どもたちと野球をした

みんなおおはしゃぎ。

美術部Tシャツがキラリと光る僕が

バッターボックスに立つと、ちびが走ってきて

「兄ちゃん、がんばれー!」と

カンチョーされた。

ユースホステルは、僕と同じように貧乏旅行している若者たちのたまり場。

一泊すれば、すぐに友達ができる。野宿もしたが、やはり仲間がいるところが楽しい。

ユースで知り合った旅の仲間

​近くの駅まで見送りに。

青函連絡船で知り合ったライダー

テント持っていると言うので、すぐお友達に。

「今夜、野宿しようよー」と誘って

北海道大学キャンパス内に潜入。

朝起きると人の気配が。テニスコートの隣だった。

時にはバイクを置いて、列車の旅

​浜小清水から知床へ

南こうせつ うちのお父さん

南こうせつの「うちのお父さん」

          こと南大道さん。

大分県の竹中というところ

河原で野宿した、翌朝のこと。

 

名古屋からやって来た話をすると、

「わしはお前さんのような奴が、大好きじゃ」と。

「にっこり」ではなく、豪快に笑った。

名曲「うちのお父さん」に出てくる下がり梅の前で

「春になれば、下がり梅の 花が咲くんじゃ」

と、お父さん。

うちのおとうさん、南大道さん

鹿児島県

今はなき朱色の高知「はりまや橋」

快活で話が面白い魅力的なお父さん。

​ちなみにお母さんは、当時深夜放送「オールナイトニッポン」を担当していた息子こうせつの健康を心配していた。

明日はどっちだ!

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