愛知県の大学美術部の力
愛知学生統合展
愛知学生統合展とは、かつて愛知県下の大学美術部(25校)と大学写真部(19校)が合同で行っていた大展覧会のことである。会場は愛知県で最高の発表の場である愛知県美術館。ギャラリーをほぼ借り切ってのビッグイベントで、大学美術部がこのような展覧会をこのような規模で開催し続けているのは、日本では他に例のないことだった。多くの大学が一つに集まる統合展。ちなみにPC版では上の写真に、名城大学、名古屋大学、金城学院大学、南山大学、同志社大学、同志社女子大学、京都大学、名古屋経済大学市邨短大の部員が写っている。
第4回愛知学生統合展の様子 (愛知県美術館)
愛知学生統合展の沿革
過去、愛知県内の学生美術部、写真部、書道部は愛知県美術館を単独で使用していたが、
1975年、美術館側から「常設展示場を設けるため」に、ギャラリーを狭くすることから、
学生には単独では貸すことができないという通達があった。
代替案として、美術・写真・書道を統合した展覧会の開催を提示される。
各方面の学生たちは協議を重ねたが、結局書道は不参加となり、美術と写真部門で統合展を結成する。
1977年12月 第一回愛知学生統合展が開催される。
(美術部19校、写真部8校)
1979年2月 第二回愛知学生統合展が開催される。
(美術部23校、写真部16校)
1980年3月 第三回愛知学生統合展が開催される。
5大学が代表校として、事務局を務めた。
年に3-4回の総会が開かれ、全参加校が集められた。
(美術部24校、写真部19校)
4月 統合展の問題点を改善し、さらなる発展を期して新組織「実行委員会」結成
名城大学美術部部長 菰田真人 初代実行委員長就任
実行委員会を頻繁に開催し、全体総会は名城大学を会場に毎月行うようになった。
10月 同志社大学、京都大学、京都女子大学、同志社女子大学、立命館大学との交流始まる。
1981年2月 第1回合同批評会が、名城大学体育館で開催される。
3月 第四回愛知学生統合展が開催される。
(美術部25校、写真部19校)
特に今年度の統合展には、日本各地の大学から注目をされ、70大学から応援メッセージが
届けられた。
◇ 資 料 ◇
第2回愛知学生統合展の様子
第1回からのポスター
京大、同志社女子、同志社大学のみなさん
NHKテレビの取材を受けた。新聞、雑誌、FM愛知のDJも来てくれた。
本番の半月前に、名城大学体育館で行われた、合同批評会の様子。230点が一堂に集められ、よりよい完成を目指して批評し合った。
100号や、300号の大作を移動運搬させるのは大変なことだったが、学生たちの情熱によって出品予定者全員の作品が集められた。
すべては、より良い作品作りのためだ。
この日に集められた批評やアドバイスをそれぞれが持ち帰り、完成度をさらに高めるための最後の仕上げに入った。⇒資料
当時の愛知県美術館前。九州や京都、北陸、東京からも見に来てくれた。