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春の授業

4月

■始業式

日本国総領事も出席しての華麗な(?)入学式と始業式。今年はどんな生徒たちと会えるのだろうか。

始業式に正式な職員発表がある。講堂に集められた子どもたちの前で、各学級の担任の名前が読み上げられていく。

 

子どもたちに慕われている先生の名前が読み上げられると、パラパラと拍手が起こったりする。

「四年一組 コモダ真人先生。」

 うぉーっ。

拍手と黄色い声と太い声、

保護者たちのどよめき。

そして辺りを見回す総領事たち。

こんな状況で立ち上がってお辞儀をするのは、非常に恥ずかしい。

あとで、校長に「コモダ先生、大きな拍手が上がったね。

どの先生よりダントツに大きな拍手だったねえ。」

と、ひやかされた。

この新しい一年も、クラスのみんなが力を合わせて、

明るい学級が作れますように。

■作文

快晴。

オレゴンの天気のいい日はすばらしい。

国語の時間は外に出てみる。

作文の題材集めで、むろん遊びではない。まして私の楽しみの為でもない、ウム。

子どもたちは大喜びだ。

一見何も無いところから

材料を発掘しテーマを作っていく。

校庭にはえている花や草に題材を求める女の子。

これがテーマだと称して虫を捕まえている男の子。

次回までにどんな作文が出来てくるか楽しみだ。

■国語辞典

国語辞典の使い方を指導するが、

あまりなじみの無いシロモノのようだ。

どうやって使うか知らない子どももいる。

そこでゲーム方式で教えていったら

すごく盛り上がる。

「国語辞典っておもしれーなー」

そのおかげか、この日は一日中子どもたちのボルテージは高かった。

■採点

休み時間に教室のすみの机で、朝の漢字テストの採点をしていると

女子たちが寄ってたかって話しかけてくる。

誰かの告げ口や、コモダ先生の服装がどうのとか

髪形はこうした方がいいなど、たわいも無いことばかり。

適当に返事をしながら丸をつけるのだけど、

その速さに感心する子どもたち。

ひとり分終わって点をつけるたびに「オー」とか「はー」とか言う。

でも、ゆっくり丸をつけていたら終わらないんだよ。

20問の漢字テスト30人分を採点するのに、

10分の休み時間にやらなければいけないんだよ。

本当に教師は、トイレに行く暇もない。

膀胱炎には注意しましょう、と

着任時の女の先生たちに言われたことを思い出す。

■居残り

漢字テストで二人居残りが出た。

合格できなかった子は、授業が終わってからも教室で勉強なのである。

時計を見ると、職員会議の時間がせまっている。でも最初が肝心なので、会議を飛ばして子どもたちにきっちりと付き合ってやることにした。

はい、これで校長の評価下降。

■5月

■授業参観

5時間目が授業参観である。

来るわ来るわ、ぞくぞくと親たちのご入場である。

きょうだいが他の学年にもいる親御さんも少なからずいるはずなので、ここにこんなに来るとは思っていなかった。

やはり誰かが言ってくれたように、期待されているのだろうか。

お父さんの姿が意外に多いのに少々驚く。

子どもたちの顔が引き締まるどころか、引きつっている。

いつもうるさくしている子どもが

ぴたりと静かになっている。

いつもは争うように手を上げたり、

ちょっとした冗談にも、過激なほど反応したりするのに

今日は人が変わったように静かで

みんな両手で教科書を持ち、背筋をピンと伸ばしている。

家で何を言われてきたのだろう・・・。

まあ、おかげで先生はとても気持ちよく授業が出来た。

いいことだ。いいことだ。

□事前にリハーサルをしておいたためか、いい授業ができた。

親たちが期待しているのは子どもたちの元気に勉強している姿。

だから子どもたちには言っておいた。

「いいか、質問したら全員手を上げるんだぞ」

分かった子は右の手を上げて、分からない子は左手を上げるのだ。

みんなに恥はかかせないと約束する。

おかげでみんな元気に手を上げた。それも、すごくそろって。

親たちからどよめきが起こるほど、息のぴったり合った演技、いや授業だった。

授業が終わり、保護者が教室の外に出るととたんにもう大変。

子どもたちは今まで我慢していたものを一気に吐き出した。

「ぎゃー、緊張したー」

「肩こったー」

「お母さんの目がコワかったー」

 

□私は、男子も女子も名前を呼ぶときはみんな呼び捨て。校長にはそれを注意されたことがある。

「さん、くんをつけなさい」

しかし、保護者の前でもいつも通りの授業をしてしまった。​

□授業後には、保護者を教室に招いてのお話会。

なんと30人以上の保護者が集まった。

他のきょうだいのクラスは行かなくていいのかなと訝しむが、

これもコモダ先生の期待の表れだろうと思うことにする。

(その反対かもしれないのに)

 

四年コモダ組の教育方針を示したり、質疑を受けたりするのだが

会はとても友好的なムードの中進行し

コモダ先生への期待感あふれる笑顔に囲まれる。

よかった。

■束の間のひと時

一番落ち着ける時間は、5時間目が終わり

職員室でくつろぎながら、今日のまとめをしている時。

■せいくらべ

こどもの日にちなんで、背くらべをした。みんなの身長を測ってやる。学年の終わりまでに、どのくらい伸びるのかな。今小さい子も一年するとずんと伸びる子もいる。まさに先のものが後になり、だ。

■前のクラスの子どもたち

旧コモダ組の男子が、今日も肩もみに来てくれる。カフェテリアにいたときだ。

「はい終わり、じゃ先生さよならー」

「ほい、ありがとなー」

というと、後ろからギュッと抱きついてターっと駆けていく。

ちょうどそのとき、旧コモダ組の問題児のおかあさんがやって来た。

意外だったのは、

「昨年は本当に楽しい時をありがとうございました。

息子は先生が大好きでした」

と、言葉をかけられたこと。

「へぇー、そうだったの。あんなに叱った子だったのに。」

■PTA懇親会

放課後、PTAの懇親会があった。

会場はポートランドダウンタウンのベンソンホテル。

ここは、大統領が宿泊するという格式の高いホテルである。

レストランは間接照明がとてもいい雰囲気で、

食事も給仕もすばらしい。

その席に、うちのクラスのF君のお父さんがいた。

「うちは、子どもも家内もコモダ先生の大ファンなんですよ」

と言ってくれたことが嬉しく、さらに料理がおいしくなった。

■本領発揮

だんだんと活気付いてきたクラス。騒がしい子や泣く子が出てきた。

休み時間中、テストを採点していると肩に手を回してくる子。

プライベートなことをいろいろ質問してくる子。

私の腕にしがみついて離さない子。

私の弁当を必ずチェックしに来る子。

私が食べ終わるまで横にぴったりついて監視している子・・・。

子どもたち一人ひとりの性格は違うが、役者はそろっている。

うまくチームビルディングをしていけば、いいクラスになるぞ。

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